お祭りの茶碗売り

札幌で北海道神宮祭が始まります。

お祭りはワクワクします。

私の故郷・登別のお祭りでも楽しみがありました。

露店の「茶碗売り」です。


毎年、決まったおじさんが来て、茶碗を売るのですが、芸ですね。

ゴザを敷いて座って売るスタイルです。

おじさんの周りには、紐で数個ずつ縛った「瀬戸物」が積み上げられて。


お客から「その茶碗をお願い」と言われると、

おじさんがその茶碗を引き寄せて、あれこれと茶碗の説明を始めるのです。

こんな感じでした。


お~、母さん!じゃなかった、お嬢さん!よく、この茶碗に目を付けたね。

さすが、お目が高い!この茶碗、そこら辺の物とは出来が違うんだよ。

ほら!聞いてごらん!叩いた時に出る音!キーン!と高い音が出るだろう?

これはね…。



私は茶碗が好きという訳ではなく、そのおじさんの口上が大好きで。

祭りが始まる=茶碗売りのおじさんの話が聞けるとワクワクしました。

1時間ほど聞くと「この人ってすごいな~」と。

お客さんはその茶碗が特別気に入っている訳ではないのです。

だって、そのお祭りで初めて見るのですから。

おじさんの口上を聞いて手渡された茶碗だから好きなのです。


つまり、何を買いたいか?という話ではなく、誰から買いたいか。

エクスマの藤村さんが言っているように「体験を買いたい」。

あの茶碗売りのおじさんはその象徴のようでした。


メディアコンサルタント 荒川岳志

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